gibsonのエンジニアブログ

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【初心者向け】どうして自動車は走るのか【エンジン編】

皆さんこんにちは。エンジニアブロガーgibsonです。

 

 今回の話題は、自動車のメカニズムについてとなります。

自動車はどのような仕組みで動いているのか、私たちがアクセルやブレーキ、ハンドルなどを操作するとき、自動車のなかではどのようになっているのか。などについて初心者の方でもわかりやすいような説明を心がけていきます。

 

 今回の話題の目次は以下の通りです。

  1. エンジンとはなにか
  2. エンジンの構成
  3. エンジンの4工程(4サイクル)

 それでは早速始めていきましょう!

 

1.エンジンとはなにか

 普段私たちが乗っている自動車のエンジンに興味がある人はほとんど少数で、自分が乗っている自動車のエンジンを見たことがないという方もいらっしゃるかもしれません。

 

 エンジン自体は18世紀から19世紀にイギリスで起きた産業革命あたりから使用されるようになってきました。最も、昔のエンジンは俗にいう「蒸気機関」と呼ばれる熱した水の蒸気の力によって車両などを動かしていました。

 

 現在私たちが乗っている自動車のエンジンは「内燃機関」と呼ばれ、エンジン内部で空気に混じった「ガソリンや軽油」などの燃料を爆発させ、その熱によって膨張した気体(空気)によって自動車は動いています。

 

 中学生か高校生の時に理科や物理の時間に気体の状態方程式熱力学について学んだことのある方は、すぐに理解できると思います。また、忘れてしまっている方でも、感覚的に熱された気体は膨らむと理解できると思います。

 

 少し詳しく説明します。

 

 空気を例とすると、空気中には「酸素」、「二酸化炭素」、「窒素」など様々な物質が分子として存在し、それらの分子によって構成されています。

 

 

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気体の構成

 そして、同一気体の場合、気体の体積(大きさ)は分子の運動量によって決まります。

それを一般化した方程式を「気体の状態方程式」といいます。

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 ここで、「Pが気体の圧力」、「Vが気体の体積」、「nが気体の物質量」、「Rが気体定数」、「Tが気体の温度」を指します。

 この気体の状態方程式について説明するとかなり本題から逸れてしまうので今回は省略します。先ほど気体の体積は運動量に影響すると説明しましたが、気体の運動量は気体の温度によって変化します。つまり、気体の温度が高いと気体の運動量も大きくなるということです。

 そして運動量が高いとはどういった状態のことを指すのかというと、気体の運動量が高いと、気体を構成する分子の運動が激しくなります。

 

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気体の運動量

 そして、分子の運動が激しくなると、分子の動く範囲が大きくなるため、結果として体積(大きさ)が大きくなるということです。

 

 この気体の温度を高くして気体を膨張させるという気体の原理を利用して自動車は走っています。

 

 

2.エンジンの構成

 次は、エンジンの構成についてお話します。

 

 まず、エンジンはガソリンを燃焼させる「シリンダーブロック」と、その蓋となる「シリンダーヘッド」が大半を占めています。

 

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シリンダーブロック(参照:https://motor-fan.jp/tech/photo/10015121/3243221202006130820100000001)

 シリンダーブロック内では、上記の写真の丸い穴の中で燃料を圧縮し爆発させています。そのため、シリンダーブロックとその蓋となるシリンダーヘッドにはその爆発に耐えるための高い耐久性が求められます。

 

 次に燃料の爆発からどのようにして自動車を動かしているのかについてご説明します。

 

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エンジンの構成

 先ほど説明したシリンダーブロックの中に、「ピストン」と「コンロッド」と書かれたものが入っているのが確認できると思います。

 

 ピストンはガソリンの含まれた空気を圧縮するためにシリンダーの大きさに対してほぼぴったりとなるように設計されています。

このピストンは上昇することでシリンダーブロック内の燃料を圧縮し、燃料が爆発すると下降します。

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ピストン運動の様子

 このようにピストンは「上下運動」を行います。さらに先ほどの図にあった「クランクシャフト」によってピストンの上下運動が「回転運動」に変換されます。

 

 イメージとしては自転車をこぐときの「ペダルがピストン」で、「ペダルと車体をつなぐ軸がクランクシャフト」といった感じです。

 

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ピストンとクランクシャフトの運動の様子

 図のように、クランクシャフトの位置によってピストンが上昇したり下降したりします。さらに、ピストンとクランクシャフトをつなぐコンロッドが「関節」的な動作をしてくれるおかげで、ピストンの「上下運動」をクランクシャフトの「回転運動」へと変換してくれています。

 

 このようなピストンの上下運動にて、いったいどのタイミングで燃料を爆殺させ動力を得ているのでしょうか?

 

 

 その答えは、エンジンの4サイクルにあります。

 

3.エンジンの4工程(4サイクル)

 まず最初に、私たちが乗っている自動車に搭載されているエンジンは「4サイクルエンジン」と呼ばれます。

 

 この4サイクルとは何かというと、「燃料を取り込み爆発させ動力を得るための工程」のことを指します。

その工程にはどのようなものがあるのかを説明します。

 

 一般的に、4サイクルの工程は「吸入」⇒「圧縮」⇒「燃焼(爆発)」⇒「排気」に分けられます。

 

・「吸入」

 まず「吸入」の工程では、自動車の外部から空気をエンジンのシリンダー内に取り込みます。またその際に「インジェクター」と呼ばれるガソリンを噴射するところから霧状の燃料を噴射し吸入する空気に混ぜます

 

・「圧縮」

 「吸入」の工程でシリンダー内に取り込んだ燃料の混ざった空気を、この工程でピストンの上昇によって圧縮します

 また圧縮する際に気体の温度が上昇します(気体の状態方程式より)。このとき気体の温度が上昇することで霧状だった燃料が気体へと変化します。

 

・「燃焼(爆発)」

 「圧縮」工程にて高温、高圧状態になっている燃料にシリンダー内の上部にある「スパークプラグ」より火花を発し点火することで燃料を爆発させます。

 爆発により生じた力によってピストンを押し下げ、クランクシャフトに回転する力を加えます。

 

・「排気」

 燃料を爆発させたことによって発生した燃焼ガスを車外へと排出します。

 

 以上の工程によってエンジンは燃料の化学エネルギーを自動車の運動エネルギーへと変換しています。

 またこの工程は4サイクルであり、「吸入」と「燃焼(爆発)」のときはピストンが下降し、「圧縮」と「排気」のときはピストンが上昇します。つまり、4サイクルを行うためにクランクシャフトは2回転することになります。

 

 

 さて、以上のようにエンジンで発生した力をクランクシャフトで回転する力に変換し、さらにタイヤへと回転する力を伝えて自動車は走ります

 今回は自動車のエンジンがどのようにして自動車の走る力を生み出しているのかを説明してきました。

 次回は、エンジンの力をタイヤまで伝達する「トランスミッション」についてのご説明を行いたいと思います。ぜひ楽しみにしていてください。

 また、今回の内容で疑問に思ったことなどございましたら、コメントなどでお知らせください。より詳しい説明を行う機会を設けたいと思います。

 

最後に

ここまでブログを読んでくださった皆様、本当にありがとうございます。

当ブログでは、初心者エンジニアが個人的に勉強したことや趣味の話などをご紹介しております。

 

この記事を読んで、もし当ブログにご興味をお持ちいただけましたら是非また当ブログをご利用ください。

当ブログをご利用くださいまして誠にありがとうございます。

それでは皆様、本日もお疲れ様でした。