gibsonのエンジニアブログ

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【自動車制御】ドライバーの操作とクルマの制御

 皆さん、こんにちは!エンジニアブロガーgibsonです!

 

 今回のお話は「自動車の制御」についてです。

普段私達が自動車を運転しているとき、自動車の内部ではどのような制御が行われているのかについてお話していきたいとおもいます。

 

 今回のブログの構成は以下の通りになっています。

 

 

 それでは早速始めて行きましょう!

 

1.自動車の制御とは?

 まずは簡単に自動車の制御についてご説明していきます。私達が普段乗っている自動車には、エンジンやモータ、トランスミッションのような走行に必要な部品から、エアコンやシートヒータ、カーナビやステレオなど走行自体にはあまり関係のない快適装備など様々な部品が搭載されています。

 

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自動車に搭載される電子制御デバイス

 現在の自動車ではこれらの部品の多くの部分が「電子制御」されているのです。

 電子制御とはなにかというと、自動車の走行状況やスイッチのオンオフから得られる電子情報を「ECU(Elecrtic Control Unit)」で処理し各部品のアクチュエータ(モータなど)を適宜駆動させることで各部品を意図通り動作させることを言います。

 

 さらに現代の自動車は電子制御を行う部品が非常に多くなったことで、制御を行うためのECUが複数搭載されています。これらのECUはそれぞれ、エンジンの制御を行うエンジンECUやモータの制御を行うモータECUトランスミッションの制御を行うトランスミッションECUのように各ECUで制御を行う部品が分けられています。

 このそれぞれ担当する部品の異なるECU同士で互いに情報をやり取りすることで、実際の自動車の走行状況に基づいた適切な制御を行うことが可能となります。このように複数の制御対象が情報をやり取りし、互いの状況を考慮した制御手法のことを「協調制御」といい、自動車だけでなく様々な分野で活用されています。

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複数のECU同士が協調制御している様子

 

 この電子制御によって私達ドライバーが自動車を運転する際のドライバービリティやドライビングプレジャー、さらには安全性の向上が図られています。

 

2.自動車制御の例

 例えば私たちが自動車の運転を行う際に行われている制御の一つにエンジン制御があります。エンジン制御といってもエンジンに関する非常に多くの部品の制御を行っているのですが、その中には私たちがアクセルを踏み込む量によってエンジンの回転数を制御するものがあります。

 これはどういうことかと言うと、運転をするときに「もっと速度を出したい」というようなときは通常アクセルの踏み込む量を大きくします。私たちがアクセルを踏み込むことで、アクセルに取り付けられたセンサーがアクセルの踏み込み量を認識し、エンジンを制御しているコンピュータにその情報を送ります。

 エンジンのコンピュータはその情報をもとにドライバーが必要としているエンジン出力を求め、そのエンジン出力を得るためには「どの程度の空気をエンジンの中に取り込み」、「どの程度の燃料をエンジンに内に噴射するのか」というような情報を計算します。

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ECUによるエンジン制御

 そして計算結果に基づき、次はエンジンへの空気吸入量を調節する弁である「スロットルバルブ(下のAmazonのリンク参照)」 の開度(スロットルバルブは開いたり閉じたりすることでエンジンに吸入する空気の量を調節する)を大きくすることでエンジンに吸入される空気の量を増やします。

  さらに、空気の量を増やすとともに燃焼させるガソリンの量も増やすことで大きなパワーを得ることができます。このときエンジンに噴射するガソリンの量を増やすために、ECUは「インジェクター(下のAmazon商品リンク参照)」と呼ばれるガソリンを噴射する装置の制御も同時に行うことで、ドライバーが求めるエンジンパワーを出力させるようになっているのです。

 

  しかも、ここまではあくまでエンジンのECUが行う制御であり、自動車全体としてはエンジンECUが行った制御をもとにさらに制御を行います。このように複数のコンピュータやECUのような制御装置がお互いに情報をやり取りして、その情報をもとに相互の制御を行う協調制御を行うことで、自動車はより安全で快適に走行しています。

 

 このほかにも、アクセルの踏み込み量やブレーキの踏力によって加速減速に必要なギア比(いわゆるシフトレンジ)を計算し、その結果に応じてシフトレンジ(1速、2速、3速・・・)を変更するトランスミッション制御や、ハンドルの舵角(ハンドルを回す量)によってEPS(Electric Power Steering)、電動パワステの支援量を調節するEPS制御、ABS(Antilock Breaking System)のような急ブレーキ時にタイヤがロックすると自動でブレーキ量を抑えタイヤのロックを回避する制御など例を挙げるときりがないほど現在の自動車の至る所に電子制御は搭載されています。

 

 かつての自動車の制御には「油圧」や直接人の力によってステアリングを操作するようにモータによる制御はありませんでした。

 しかし今後は、ADAS(先進運転支援システム)や自動運転のように人の運転に機械が干渉し制御を行う装備が増えていく一方で、自動車の電子制御はより複雑化し高度なものになっていきます。

 

 普段何気なく自動車を運転されている方でも、今回のブログをきっかけに「どのようにして自動車は動いているのだろう?」とか「1トン以上もある車体はなぜ人の力で方向転換できているのだろう?」というような自動車のメカニズムであったり仕組みについて興味を持つきっかけになってくださればいいなと思います。

 そうして自動車のいわゆる「物理」について知ることは「こういう運転はしてはいけないな」とか「この運転は自動車に負荷がかかって燃費が悪くなるな」というように安全運転とエコ運転を知ることにもつながりますので、ぜひ一度ドライバーの操作と自動車の制御について学んでみてはいかがでしょうか?

 

最後に

ここまでブログを読んでくださった皆様、本当にありがとうございます。

当ブログでは、初心者エンジニアが個人的に勉強したことや趣味の話などをご紹介しております。

 

この記事を読んで、もし当ブログにご興味をお持ちいただけましたら是非また当ブログをご利用ください。

当ブログをご利用くださいまして誠にありがとうございます。

それでは皆様、本日もお疲れ様でした。

 

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参考

  以下に今回のブログを作成するにあたって参考とした書籍を紹介します。

カラー徹底図解 クルマのメカニズム大全

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  • 作者:青山 元男
  • 発売日: 2019/03/13
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)